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のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり

「赤光」より抜粋の20首の評(柴生田 著)紹介しています。 ブグにお越しくいださい。


のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり  

死にたまふ母 其の三 十四首中第十二首

(初版) 足乳ねの

「玄鳥」 日本書紀(天智紀、持統紀)に「鷰」ツバクラメと訓んでいる。

万葉集巻十九の「燕来時爾成奴等」は、「ツバメ来る時に成りぬ」とあるから、どちらかと云えばツバメの方が用例がはやく万葉調と云えるが、ここでは一首の声調の上から採られたもののやうである。茂吉の愛用した言海ではツバメよりツバクラメを本来の語とし、燕・玄鳥・乙鳥の三字を並出している。

「ふたつ屋梁にゐて」 二羽のつばめ、屋根 単なる梁とせずに屋梁としたのは、家を支える「うつばり(家を支える横木)」の意。母の死に臨んでたまたま梁にとまる「のど赤き玄鳥二つ」のすがたの鮮やかさ目に入ったというその事実だけである。 

(茂吉自評『作歌四十年ありのままに直線的に云ひくだしたのも却って効果があったやう

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