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- 短歌とぽす会員2名 宮城県短歌賞 佳作に入選
- 宮城県歌人協会主催 宮城県短歌賞 短歌とぽす会員佳作に入選
短歌賞・歌人の集い 11月24日(日) 東京エレクトロンホール宮城で開催
佳作入選者
◎丹取 元 「帳尻」 15首
◎浅野 賢治 「古稀に思う」15首
佳作入選者
◎丹取 元 「帳尻」 15首
◎浅野 賢治 「古稀に思う」15首
佳作 入選作品(15首)
「帳尻」 丹取 元 (短歌とぽす 会員)
・生い繁る葉群かきわけ茗荷の子摘めばつゆけき土の香のたつ
・いつしらに虫の音すだく季となりて水引草の花も咲きそむ
・夕明かりかすかに残る萱の原 かく透きゆくかはるかなる日は
・棄つるべく蔵書選るときこもごもの凝れるものをも紐にてくくる
・鯖缶を開けて夕餉の卓に座す老い猫三毛と差し向ひつつ
・なるやうになるだけなりと抗はず歩み来しけり八十となるまで
・これからが本番なりと気負へども足腰なへての坂は苦しき
・もしかして異なる道がありしかと詮なきことを思ふたまゆら
・名前などあらずともよし楚々として荒野に咲ける黄なる花群
・語り合ふものも今なく故郷は心の洞の深まるばかり
・ひさびさに訪ひたる父母の墓前にてひとり額づく香も焚かずに
・墓守りを末の妹に押しつけて遠く離れる我が身を詫ぶる
・いかやうに思案すれども来し方の帳尻合せはなかなか難し
・片仮名の略語・造語に煽られてよろけさうなる我の生きなり
・にぎやかにアイドル話題にバスを待つ女子高生らの後に並ぶ
「古稀に思う」 浅野 賢治 (短歌とぽす 会員)
・ひと刷けの標をなせば良しとせん時は降りつつこの身に積もる
・人生は所与の条件満たしたる解求めよの難問なるや
・我が生きの矛と盾とは何れなり鈍感力はそのひとつとも
・勤め終え幾年経るも消えぬなり日々の思い出苦楽に記憶
・ちはやぶる神のみぞ知る命なりこのひとときはとりあえずビールを
・父親とはなんと滑稽なるものや背負い続けて迎えたる古稀
・偶の息との会話ぎこちなく判押すごとき形式会話
・いつからか疎遠になりし悪友も思い出としてそっと包まん
・この眼病は治りませんと言われたり文庫本読む目薬さしつ
・あざやかな朱色の鳥居すすみ行けば遥か胎内回帰の思い
・ひょこひょこと首振るしぐさ半テンポ遅れて歩むハトの歩は
・若き日に水の石きりあそびせり夢を願いを星につなげむ
・湯と水の境のごとき晩夏光かすけくゆれて秋に入りなん
・死はいづれやってくるとは知りつつも日々の暮らしはしばし続くも
・交差せぬレール二本あるとても地平の果ての一点を思う
・生い繁る葉群かきわけ茗荷の子摘めばつゆけき土の香のたつ
・いつしらに虫の音すだく季となりて水引草の花も咲きそむ
・夕明かりかすかに残る萱の原 かく透きゆくかはるかなる日は
・棄つるべく蔵書選るときこもごもの凝れるものをも紐にてくくる
・鯖缶を開けて夕餉の卓に座す老い猫三毛と差し向ひつつ
・なるやうになるだけなりと抗はず歩み来しけり八十となるまで
・これからが本番なりと気負へども足腰なへての坂は苦しき
・もしかして異なる道がありしかと詮なきことを思ふたまゆら
・名前などあらずともよし楚々として荒野に咲ける黄なる花群
・語り合ふものも今なく故郷は心の洞の深まるばかり
・ひさびさに訪ひたる父母の墓前にてひとり額づく香も焚かずに
・墓守りを末の妹に押しつけて遠く離れる我が身を詫ぶる
・いかやうに思案すれども来し方の帳尻合せはなかなか難し
・片仮名の略語・造語に煽られてよろけさうなる我の生きなり
・にぎやかにアイドル話題にバスを待つ女子高生らの後に並ぶ
「古稀に思う」 浅野 賢治 (短歌とぽす 会員)
・ひと刷けの標をなせば良しとせん時は降りつつこの身に積もる
・人生は所与の条件満たしたる解求めよの難問なるや
・我が生きの矛と盾とは何れなり鈍感力はそのひとつとも
・勤め終え幾年経るも消えぬなり日々の思い出苦楽に記憶
・ちはやぶる神のみぞ知る命なりこのひとときはとりあえずビールを
・父親とはなんと滑稽なるものや背負い続けて迎えたる古稀
・偶の息との会話ぎこちなく判押すごとき形式会話
・いつからか疎遠になりし悪友も思い出としてそっと包まん
・この眼病は治りませんと言われたり文庫本読む目薬さしつ
・あざやかな朱色の鳥居すすみ行けば遥か胎内回帰の思い
・ひょこひょこと首振るしぐさ半テンポ遅れて歩むハトの歩は
・若き日に水の石きりあそびせり夢を願いを星につなげむ
・湯と水の境のごとき晩夏光かすけくゆれて秋に入りなん
・死はいづれやってくるとは知りつつも日々の暮らしはしばし続くも
・交差せぬレール二本あるとても地平の果ての一点を思う